「ハーブに秘められた本当の力を知ってもらいたい」「心から満足していただけるものをつくりたい」と語るハーブの無農薬栽培、製品開発、販売をされている若草舎代表•森田恵美子さん。そのほとんどの作業が手作業というから驚きです。なぜ、そこまで手作業にこだわるのか? ハーブに出合って何が変わったのか?笑顔の素敵な森田さんにお話を伺ってみました。


30年ほど前、私と姉は、知人より河口湖にある土地を譲り受け、小さな家を建てました。そこは湖が見え、自然豊かでとてもリラックスできる場所です。いつしか私たちの第2の家として、週末はそこで過ごすのが定番になっていきました。庭に花を植えたり、野菜をつくったりして楽しむ機会も増えていったのです。
そんなあるとき、地元でハーブをつくっている方とたまたま知り合うことができました。その方にハーブのことを教えていただき、苗もいただいたんです。その苗を庭に植えてみたら、どんどん大きく育って、その様子がまたかわいい。お茶にして飲んでみると、これがすごくおいしいんですよ。
それからは、自分たちで楽しむために植えては収穫、収穫しては植えるということを繰り返し行うようになりました。そんなことを繰り返していくうちに「こんなにも自分たちが楽しめて良いものなのだから、ほかの人にも伝えたい」と思うようになっていったんです。
もともと漠然とですが、「自然に関わることが何かしたい」「一から十まで自分たちの手を通したこだわりのものを提供したい」という想いがあったものですから、ハーブに出合ったとき、「これだ!」とストーンとはまった感じがしましたね。それで、「若草舎」を設立し、ハーブ製品をつくることにしたんです。
製品づくりで一番大切にしているのは、100%安全なものにするということ。ですから、河口湖の澄んだ空気の中で清らかなわき水を利用し、ハーブも完全無農薬で栽培しています。そして、ハーブの栽培から製品づくりまでのすべての作業を、できる限り自分たちで行っています。ハーブ本来の効果を最高に発揮できる製品をつくりたいからです。どんな水でつくられたか分からない、どんな原料を入れたか分からないものはつくりたくないんです。自分たちができる範囲でこだわり、愛情を注いで育てた自家製ハーブで製品をつくることこそ私たちの誇りであり、喜びです。
特に(※)ダマスクローズの栽培には誇りを持っています。なぜなら、国内で栽培しているところは皆無に等しく、輸入に頼るというのが現状。そんな中で、自家製ダマスクローズを使ったフローラルウォーターは胸を張ってみなさんにおすすめできるこだわりの製品となりました。普通はフローラルウォーターというと、精油を抽出したあとに残る蒸留水のことを指し、わずかな精油成分しか含んでいないのですが、うちのフローラルウォーターは、精油を分離させない抽出方法を使い、精油成分をそのまま含んだ濃度と香りの高いものに仕上っています。
※ダマスクローズ…世界中に2万種類以上あるバラの中でも、濃厚で甘い香りを放つ品種として、古代から世界中のセレブリティに愛されている最高級のバラ。世界的に有名なハイブランドの香水の原料にも使われている。
ハーブづくりを通して、体だけでなく心も健康になりました。製品をこだわってつくるのは本当に楽しいんです。平日に別の仕事をし、土日に作業をしているので体はクタクタですが、心は元気です。この仕事を通して、人間は際限なくがんばれることを知りました。また、自分たちが心を込めてつくった製品を使ってくれた人が「くすみがなくなってきたわ」などと喜んでくれると、「またがんばろう」と疲れも吹っ飛んでしまいますね。それに、口コミで製品が広がっているので、製品を通して、友人の輪が広がっていくのもうれしいです。
今後の目標は、製品の数を増やすのではなく、さらに品質を上げていくこと。自分たちがつくれるハーブの量は決まっていますし、ハーブというのは自然が相手なので、年によって量も品質も波があります。だからこそ、そのとき、そのときのベストな製品づくりを目指し、前年よりも今年と、より良いものを提供していきたいですね。
将来的には、川越でハーブを中心に人が自由に出入りして集まれるサロンをつくれたらいいなと思っています。ハーブでみんなが幸せになれる、そんな空間づくりをしたいです。